「相続登記における財産調査」で気を付けなければいけない事
相続登記などと言った相続手続きを受ける時に、司法書士が絶対に取得する書類があります。
それは、名寄帳というものです。
名寄帳とは、ある人がその役場の管轄にどこの土地建物と言った不動産を所有しているか?というものが、分かるのです。
土地であれば所在、建物であれば所在地及び家屋番号まで分かります。
さらに、家屋番号の無い、つまり、登記されていない建物までも分かります。
例えば、相続人の方でも、「どこの物件を所有しているのか」という事をあまり把握していないケースがあったり、自信満々で全部把握しているとお聞きしても、万が一漏れが無いか、私達プロは確認します。
ただ、名寄帳も気をつけないと万能ではありません。
なぜ万能ではないかというと、ごく稀に、役所や役場が建物の所在地や登記簿上の床面積は把握しているが、家屋番号を把握していないケースもあります。
なので、名寄せを取得して「家屋番号が記載されていないから登記されていない!」と判断するのは、早計です。
なぜなら、登記簿上の床面積を把握しているのであれば、絶対に登記されているはずです!
この様な場合、申請書に建物所在地を記載し、そして、申請書のどこでもいいから「底地上の建物全てお願いします」と記載します。
すると、建物の登記簿謄本が出てきます。
もしなければ、「上記地番を底地とする建物情報はありません」と法務局の担当が記載してくれます。
また、名寄せを申請する時は、本人の共有持ち分も取得する旨も記載しておきます。
なぜ、そうするかというと、「こう書いておかないと、本人の共有持ち分の不動産の情報が
たまに洩れてしまうから」です。
いかがですか?
名寄せには家屋番号の無い建物があり、法務局の担当が「その地番に建物がない」と記載した証明があれば、その建物は未登記という事になります。
相続登記のプロはここまで、目を光らせて、相続財産の調査をなし、取得可能な証明書は可能な限り取得して行きます。
それが、依頼者の権利や財産を保全するプロの仕事だからです。