公平に分けれない場合、どうしたらいいですか?
一般社団法人かんさい相続サポートセンター大阪本部の中野です。
相続は財産の大小に係わらず、起こります。
財産が多い人は多いなりに、財産が少ない人は少ないなりに対策を
考えなくてはいけません。
どちらにせよ、考えなくてはいけないのは、
「どのように財産を分けるか」ということです。
3人の相続人がいれば、「3分の1ずつ公平に」と
考える人も多いかと思いますが、財産や相続人の
状況によって均等に分けることができないケースの方が多いのです。
実際に、相続が発生した際のご相談で多いのが
「どういう風に財産分けをしたらいいでしょうか?」というものです。
不動産(土地)の比率が多い場合は要注意
特に財産の内容で不動産が多い場合は要注意です。
これは、いわゆる土地持ちというようなたくさんの土地を
持っている人だけでなく、「持ち家一軒と少額の現金」
という場合も注意が必要です。
例えば、相続人が3人の場合、で遺された財産が
前述の「持ち家一軒(実家)と少額の現金」という場合、
実家を誰かが引き継いで、残りの現金を二人で半分・・・
ということになれば、価値だけで考えると、実家を引き継いだ
相続人が一番多くの資産を引き継いだことになります。
しかし、実家を引き継いだ相続人がすでにマイホームを
持っていた場合はどうでしょうか?
売却ができないのであれば、実質的には使わない実家を
管理しなくてはいけなくなりませんし、
維持するためには固定資産税の支払いや修繕費なども
必要になります。
実質的には現金を貰った二人の方が「使える資産」を
引き継いでいる方がよかった・・・と言う事にもなりかねません。
もちろん、一つの不動産を複数で所有することもできますが、
将来の相続の事を考えるとあまりお勧めできません。
このため、相続が発生した際のご相談で多いのが
「どういう風に財産分けをしたらいいでしょうか?」という
ご相談が多いのです。
ひとまず妻(配偶者)に・・・は損になるかも
妻(配偶者)を遺して夫が先だった場合、
相続税の配偶者控除を使えば相続税を大きく
削減することができます。
また、子ども達の心情的にも、「母がいるうちに財産を
引き継ぐより、二人分まとめた方が手間がかからない」と
いう気持ちが合ったりするので、「父の遺産は大部分を
母に相続してもらう」という考えになる場合があります。
しかし、これは夫婦二人の相続をトータルで考えた場合、
支払う相続税を増やしてしまう可能性があります。
相続税は累進課税といって、財産が多いほど税率がアップします。
夫の財産に妻の財産がプラスされるため、妻の財産が大きくなり、
税率が高くなる可能性があります。
また、法定相続人の数が減ることにより、基礎控除の金額が減ることで
相続税がかかる財産が増える事にもなるからです。
遺言書はやはり有効な手段
このように財産分けは財産の大小に係わらず、
相続人を悩ます一番の問題とも言えます。
この問題をなるべくスムーズに済ませてしまうのに
有効なのは遺言書です。
遺言書は亡くなった方の意志を遺族に伝えるものです。
付言事項なども使って、「なぜ、この財産をこの人に継がせたいか」
をしっかりと書いておけば、遺された遺族も「父(母)の気持ちが
そうであれば・・・」ということになるでしょう。
遺族は財産分けで悩んだり、割く時間を家族とのだんらんに
使ったり、法事の準備など使うことができます。
遺言書は遺される人に対しての最後のラブレターであり、
先立たれる人の気遣いではないかと思います。
「たいした財産はないから」「うちは家族仲がいいから」と
遺言書を書くことをしない人も多いのですが、
たいした財産もなく、家族仲がいいからこそ、
遺言書を書くべきだとわたしは思っています。
遺言書をどう書いたらいいのか?書くべきなのか?
まよったら是非ご相談ください。