遺言書通りに遺産を分割しなくてもいいですか?
一般社団法人かんさい相続サポートセンターの中野です。
相続の問題を考える場合、つぎの3つのことを考える必要があります。
・相続財産の分割
・相続税の納税
・相続税の節税
この中でも『財産の分割』については、税金がかかってもかからなくても
考えなくてはいけないことです。
遺言書が万能なワケではない!?
財産の分割でトラブルを起こさないためによく使われるのが
遺言書です。
遺言書は亡くなった方の意志を伝えるための
大事なツールです。
法律的にも遺言書の内容が優先されますが、
絶対ではありません。
『遺留分』というものが法定相続人にはあり、
それを侵害するような財産分割の指示があった場合は
法的な手続きを取って権利を主張することができます。
法的手続きをするほどではないけど、相続人同士で
『父親(母親)の想いわかるけど、それはちょっと・・・』
ということもあり得ます。
例えば、兄弟二人で特に仲が悪いわけでもなく、
父親とけんかしたわけでもないのに、
『財産はすべて長男に相続させる』
といった遺言書が遺されていたらどうでしょうか?
長男も、『次男にもちょっとは分けてあげたい』
と思う事もあるでしょう。
遺言書通りに財産分けしなくてもOK!?
先ほどの例のような場合は、どうでしょうか?
実は、遺言書通りに財産分けをする必要はありません。
相続財産の分割に関係する人(法定相続人や遺言執行人、
その他関係者)の同意を得ることができれば、遺言書と
異なる分割をすることは可能です。
例えば先ほどの例で行けば、兄弟(2人)の
『長男に全財産を相続させる』という遺言書が残っていたとしても
兄弟二人が納得していれば半分ずつ相続することもできます。
手続き上は、改めて遺産分割協議書を作成する、などの手続きは
必要となります。
『遺言書に書いてあるから・・・』と思っても、より遺された家族が
よい状況になる財産分けをしたい場合は、専門家のアドバイスを
受けながら、財産分けを考えましょう。